自らの本性を現実のものとしてそこからズレてはダメなのだ。
そこに辿りつくには、自らの心から、その本性から出発しなければ、法身の透明な光には到達しない。
だれも、あらゆる罪障やカルマの負債、サマヤ戒すら浄化する妙薬を受け取っていない。
いまある困難や限界を本当に乗り越えようとするならば、今のこの瞬間瞬間を一生懸命に生きる。そして生きた悟りを得るために精進するという決断が必要だ。
その一瞬に煌めく広大な空間に大いなる悟り、空間の教えが埋蔵している。
程度のかるいものは、薬物や清浄な食べ物や環境によって生かされる。
しかし、煩悩というものは、密教が行うような方法ではその運動を止めることも浄化することもできない。
そもそもそのエネルギー自体が煩悩によって突き動かされているからだ。
運命とは、人間の存在とは、多重なパラドックスによって構成されているといえよう。
すべきことは、現代に自らの存在の根本を実現することである。
自らの心は、生きていようが、死んでいようが、みなおなじ。
原初的知性のうえに自らの煩悩を放置しよう。そして自己による煩悩の自己解脱を実現しよう。
あらゆる概念に穢されないものが、我々の本質なのだから。
確かに努力は必要だ。しかし、その努力も限界概念の中で努力していてはだめだ。
おそらくそれを悟った人は、ただ、もくもくと愚痴ることもなく、誰に中傷されようが、たんたんと我が道を歩いて行くだろう。
そういう勇者こそ阿刀田達磨は求める。
今年の1年の間に起きたすべての顕現は、自らを如実に映し出していた。
その顕現はどのようなものであれ、やはり一味に完結したのだった。
それは来年2010年を生きる「生きた悟り」として心の中で今も輝いている。
ありがとう。
すべての人々に、ダーキニーに、デバに、そして自らの根本グルに感謝する。
2009年12月31日 阿刀田 達磨