子平の研究最前線
旧法(古典派・五行の強弱や格局に比重が置かれた秘伝・唐宋時代の子平の詩賦を集めたもの原典である徐大昇の『百章歌』が典故)10干関係を六親通変に12支関係を12長生に変換して命式を解釈しようと萌芽した時期でもある。形造られたのは『百章歌』がスタートラインである。滴天髄の子平の断片的知識や滴天髄の理論でもって古典の子平に挑んだが、しかし、五行的通変による解釈の色彩が非常に濃密であったのである限界概念の中で判断することになってしまった。
☆子平大法(審事と六親通変と12運の奥妙を説いたもの)
☆子平洩天機(日主を挟んだ君側の体用の干関係の究明、詩的な表現による遊び心いっぱいの芸海)旧法と新法の解釈がある。
☆子平窮通律(命譜の解釈) 富貴・貧賤・吉凶・苦楽の命の区別を行う。
子平錦繍集(古典派の子平を集めた陳素庵の子平・『百章歌』や『明通賦』『喜忌篇』『継善篇』が典故)透派式解釈
子平典故(古典派の子平に新解釈を加えた陳素庵の子平)
子平止観 内容不明
新法(新釈派・10干が主体となった秘伝・劉伯温の『滴天髄』が典故)10干の研究と究明を重んじた。
子平滴天髄(新釈派の解釈による王文沢の滴天髄の審事からなる滴天髄の読み方・陳素庵の『滴天髄輯要』が典故)
☆子平心得(新釈派から古典派に回帰したことで生まれた秘伝・『子平大法』が典故)
☆子平弁方録(『子平典故』が典故)子平参禅口訣の発展型。細部に渡って考察が加えられているが細かすぎて実践には不向き。星平合参して用干を求め星平会海としてみる方法を説く。
☆子平参禅口訣(六親通変と12長生の新解釈、陳素庵の『子平典故』が典故)
☆子平授生訣(審事の新解釈) 新法の真骨頂。
☆子平双対・鼎立・方角(2干・3干・4干の干関係)
☆子平修学無学訣・無学訣命理五訣(王文沢)・無学訣注釈(王文沢)(無学訣は作者不明、『欄江網』が典故)
☆以上の子平の秘伝と口訣を統合する見方、つまり、大法系(無学訣を含めた旧法と新法の子平)、参禅系(喜忌のランクをつける見方で鉄筆断とも呼ばれる)、洩天機系の三種の子平を統合して新たに富貴貧賎吉凶を設定して古典の百章歌とはまた異なる子平の価値基準を外部に作り上げたものである。
秘伝の流れが原典の子平三大奇書(『子平三命通変』『滴天髄』『欄江網』)によって派生されている。古典を大切にした古代中国人。子平文書は民族の子平占い感を統一に向かわせた。
透派は、大法、心得、止観、参禅、修密の5段階の秘伝構成で学習していくことを進めている。
子平の二つのアプローチ法
旧法 大法 心得 大運、流年の解釈から命式の干関係に回帰する方法。通変をキーワードにして本来の作用をなさない干関係や命式構成を消去、減点法によってある一部の命式を特定して行く方法。蔵干通変が天干に昇ったものを年月日や日時の関係から貴命を算出し、特定して行く古典的方法。
新法 授生訣 その他 干関係を主体にして強弱の関係や通変の意味に起動修正を行う。体用理論によって干関係の意味を後付けして行く方法。干関係から貴命を割り出す新釈派の方法。
実例 美智子皇后さま
戊甲甲甲
辰子戌戌
辛
百章歌の正官歌 第一行目 正官須在月中求 無破無傷貴不休 玉勒金鞍真貴顕 両行旌即上皇州
正官はすべからく月中に在るを求め、無破無傷は貴休まず。玉勒金鞍は、真に貴を顕し、両行旗が即、皇州に上る。
成婚の大運 辛 正官格が成立。
流年 己亥 年干比劫喜神が合して取られているため社会的に女性が結婚することで自らの社会運を犠牲にしてしまう傾向がある。そもそも女性が結婚するというのはそういうリスクを背負うことに他ならない。亥運の12運は喜神の長生なので天地人がそろい大成功する運勢である。もしかして甲の年運での成婚であったら本当の権威と実権を持った皇室や王室に嫁いだのかもしれない。
子平大法の解釈 日干甲木と節気蔵干の辛金を相対して正官格となる。扶抑用神は、財が多ければ比劫を喜ぶ命式である。
新釈派の子平心得の分析 時柱の戊土を大運の辛が洩財で洩らして甲甲甲の森を護った。辛の大運は甲甲甲の関係に戊土の傷あるものを見事に崩した。忌神は毀してよいという理論。つまり、辛運は、甲甲甲の良さが強調される運であるといえる。(護比劫は、一般には忌官殺の命式に使われのだが)つまり、今まで悪い環境や条件をもったものがその五年間だけ一時的に改善されよくなったといえる。つまり、結婚に向けて準備することが出来たといえる。
新釈派の方角では、甲甲甲戊は「青山隠々」となる。喜神の甲が3本並ぶことがすでに大貴命となる。しかし、いつ皇帝がお迎えが来るかという時期が当たっていない。つまり、命式+運勢で見て行く古典の格局の子平の方がそれを明確に映し出している。10干主体の運勢で見るのならば、なぜ喜神の甲木で成婚されなかったのか、また甲が3つ在っても蔵干が正官でなければ果たして皇后になれたのか、その事実が答えである。つまり、格局と10干を分解して作った理論は、格局ベースから10干レベルに展開することで高度な判断ができる。しかし、格局を無視して10干だけで判断してしまったら恐らく的中率は半分以下になるだろう。
通変の喜忌の程度に関係する意味
喜比劫 人望と協力者と健康(実行する能力)
喜食傷 人気と名声と美貌(表現する能力)
喜財 財産と地位と智慧(財を得る能力)
喜官 地位と身分と気品(出世する能力)
喜印 名誉と権勢と知識(教養)
忌比劫 世捨て人
忌食傷 遊び人
忌財 守銭奴
忌官 賤命
忌印 不名誉
喜神で強い。内実ともに良い。真面目にコツコツと努力して得ていく。吉神太露の運のときは思いもしない僥倖に恵まれる。財庫や官庫が開くともいう。
喜神で弱い。上辺やみせかけだけのよさ。得るのが難しく、たとえ手にしたとしても維持が難しくいずれは手から離れていってしまう。運で喜神の根がきた場合は有名無実となるし、たとえ根がきて強くなったとしても賞味期限つきのラッキーなのでチャンスを素早く掴むこと。つまり、もともとは箸にも棒にもひっかからないということだ。
喜神で無い。良さがまったくない。得るのにまったく可能性がなく得たとしても必ず失うことになる。求めても得られず高額を支払ったとしても満足はしない。しかし、運できたら信じられないほどの僥倖にあう。しかしそれも本来得られるものでも維持できるものでもない幻のものだといえる。
忌神で強い。非常に悪い。社会的に大失敗する。凶物深蔵できたときは不幸に見舞われる。
忌神で弱い。悪さを止めることができる。得たいと思っているものは難なく入り、維持することも出来る。
忌神で無い。大きな禍にもならない。欲しい物が容易く向こうからやってくる。本来は必要がないものである。もし運で凶物なら絶対に大丈夫であったものが一変して凶事に見回れることになる。忌神で弱い程度ならはじめは大変であるが終りにはなんとか難なくすごせる。干関係が悪ければ苦労が伴う。
もし喜神が毀されていない命式ならば、喜神が強められた運に得られるものが得られ、喜神が取られる運に得たものすべて失う。
もし忌神が抑えられている命式ならば、その忌神が取られたり抑えられた運にブレイクする。
この通変の喜忌の強弱関係を基準にしてさらに干関係によっては通変の意味の多少の軌道修正や価値や意味の修正が加えられる。
個人の命式の喜忌の強弱の基準点によって個人の命運によって起こる吉凶現象がただ戯れているのに過ぎないのが自己観察できたならそれを人は運命と呼ぶ。
命あっての運であるので、教訓として今得ようとして一生懸命追い続けているものが、得られる可能性が絶対にないなら今の自分は蜃気楼を追う鹿のようだ。リアリティーのない幻想をともに見たと言えるだろう。高額自腹を支払ったか、普通かで吉凶が決まる。
結婚の見方のランキング
女性の子平命式
官殺 喜神 強い NO1 ベリーグッド 縁談は成る。良き夫となる。命式が良ければ可。内格の身強の命式。
官殺 忌神 弱い NO2 妥協 縁談は成る。邪魔にならないので良き夫だと言える。命式が良ければ可。内格の身弱の命式。
官殺 忌神 無い NO3 NG 可能性がない。可否は財、官、印の状態や命式で判断せよ。
官殺 喜神 弱い NO4 NG 立ち消え。縁談はまとまりにくい。根がきてもそのときしか縁談はまとまらない。破局の危険性あり。
官殺 喜神 無い NO5 NG 運のみ。可否は、財、官、印の状態や命式で判断せよ。
官殺 忌神 強い NO5 NG 失敗。
男性の子平命式
財 喜神 強い NO1 ベリーグッド 縁談は成る。良き妻となる。命式が良ければ可。内格の身強の命式。
財 忌神 弱い NO2 妥協 縁談は成る。邪魔にならないので良き妻だと言える。命式が良ければ可。内格の身弱の命式。
財 忌神 無い NO3 NG 財を抑える運で辛うじてまとまる。
財 喜神 弱い NO4 NG 立ち消え。縁談はまとまりにくい。根がきてもそのときしか縁談はまとまらない。破局の危険性あり。
財 忌神 強い NO5 NG 失敗。
忌食傷で強い 問題を起こす。
忌官殺で強い 問題を起こすし、反乱やボイコットを起こす。つまり、拒絶やDVとなる可能性あり。
忌官殺で弱い 問題が解決する。唯一の賢夫しか残らない。駄目なものは消え去る。
忌財で弱い 問題が解決する。唯一の賢妻しか残らない。駄目なものは消え去る。
忌財で強い 損害を蒙る。迷惑を掛けられる。
子平における認識活動は、机上の空論では決して到達できない。書物や誰かが言い出した概念認識が生み出した産物をいくら論及しようと真実には決して到達しない。なぜなら実体験し、実際に発見して口や肌で味わったものだけが真実の知識となる。それが悟りというものだけれど。